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オーロラ

夜のカラクリが ガタリと落ちて しゅうしゅうと煙りを吐き出す。 つられて、桟橋の上では 町中でいちばん美しい娘と そんなこともない娘の タップダンスショーが始まる。 どちらかの汗が一滴 月あかりの川面で跳ね上がる。 そのたびに遥か遠くの空で グラデーションのない オーロラが波をうつ。 決まって静寂が一時。 桟橋は軋む。 規則的な音がループする。 名もなき草花が上下に揺れ 夜露をバケツリレーする。 絶望から這い上がった絵描きが この世の美について仮説を立て 夜空へ放った筆が秒針を刻んだ。 ただ、それを、 僕は目を離せないでいる。

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週末の

閉店間近の喫茶店で 天使がさぼっている 窓際に戸惑いのシルエット 小魚に小骨を埋め込む手術 呪術のような無実の儀式 チキンナゲットに祈りを込め 小手先の優しさに決別を誓う 手羽先の持つところを残して 毒入りのナチョスを味見する スパンコールのかわりに...

明日

飲み残されたビールの未来はオレタチが思っているほどヤワじゃない。射的で奪取できなかったエロジッポのため息は、静かに子供たちの耳たぶをかすめる。パテシエがこぼしたスペシャルソースは、乙女たちのハートではなく脳ミソに悪知恵をほのめかす。間違ったバイキングは、おかわりされない。お...

パーティー

そらみた 青ざめた ためになった なかなかのなかになれ マシンガンが火を吹いて パーティーが幕を開ける アドベンチャーの記憶を 清潔なシーツに染めよう 酒瓶を天に放り込み マグマの蓋が割れる 一斤の角食に掲げたネッカチーフは 大いなる自由の印 すべてはまわり続ける...

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